執筆者:桜井悌司(イスパJP理事長)

ここ数年、東京を中心にラテンアメリカ主要諸国のフェステイバルが増えつつある。中には、マニアのごとく、それらのイベントに馳せ参じる人もいるが、一般には、意外に知られていないのも事実である。そこで、本稿では、2017年の例をとり、主要なラテン祭りを紹介する。すべてのイベントを見学したわけではないが、かなりのイベントを見学した。ここで紹介するイベントは、1日でも、ラテンムードに浸りたい人にはうってつけである。

 

  1. ブラジルフェステイバル(FESTIVAL BRASIL}


    ブラジル・フェスチバルの光景

    ブラジルフェステイバル2017は、7月15日(土)、16日(火)に代々木公園野外ステージで開催された。主催は、(一社)在日ブラジル商工会議所で、多数の日本企業、ブラジル企業がスポンサーをしている。2006年に開始され、2017年は、第12回を数えた。代々木公演の野外ステージ界隈を広く使い、飲食ブース、物販ブース、ミニ物販ブース、その他サービスのブースがある、ステージでは、ブラジルから招いた著名シンガーやサンバ、MPBの歌・演奏が常時繰り広げられる。入場無料で、ブラジル気分が味わえるし、ブラジル人やラテン人、その他外人も多数訪れる。何回か見に行ったが、最大のブラジル祭りで、なかなか面白いイベントである。

  2. 新宿サンバ・シュラスコ・フェス2017
    この祭りは、2015年に開始され、翌年の2016年は、BRASIL CARNIVALとしてお台場で開催されていた。2017年は、リニューアルということで、新宿歌舞伎町シネシテイ広場で、4月6日(木)~9日(日)に開催された。主催は、日建リース工業で、祭りの内容は。上記とほぼ同じであるが、規模は小さい。
  3. 名古屋 ブラジル フェスタ
    この祭りは、2014年に開始され、2017年は第4回目で、6月17日(土)、18日(日)に名古屋市中区にある久屋大通公園で開催された。主催は、テレビ愛知、在日ブラジル商工会議所、ABT豊橋ブラジル協会、アイピーシーワールドである。食品・料理中心の祭りであるが、日本で一番ブラジル人労働者が多い、愛知県でのイベントである。
  4. FESTA DO BRASIL福岡
    2016年に開始され、前回の2017年は第2回目で、8月5日(土)、6日(日)の両日、ベイサイド・プレイス博多で開催された。主催は、FESTA DO BRASIL実行委員会。ホームページなどを見ると、10年かけて実現の運びとなったイベントで、食べて、飲んで、踊って、歌っての体感型フェスタとアピールしている。九州最大と言われている。
  5. FIESTA MEXICANA 大阪
    大阪でのメキシコ祭りは歴史が古く、1997年に遡る。第1回の時は、有馬徹とノーチェクバ―ナがゲストとして招かれたという。
    2017年は、第21回目であり、場所は、大阪新梅田シテイ・ワンダースクエア1F広場、9月8日(金)から10日(日)までの3日間開催された。主催は東京と同じで、内容は、メキシコの音楽・踊り、食文化紹介、民芸品の即売等である。2017年には「メキシコの魅力・観光写真展」も行われた。東京と比較し、ラテン関連のイベントが少ない中にあって、興味深いイベントである。
  6. FIESTA MEXICANA inお台場

    フィエスタ・メヒカ-ナの光景

    大阪でのイベントが成功したのを受けて、お台場の活性化のために、2000年に開始されたイベントで、前回の「第18回FIESTA MEXICANA inお台場2017」は、9月16日(土)、17日(日)、18日(月)の3日間、港区台場ウエストプロムナードで行われた。主催は、フィエスタ・メヒカ-ナ2017実行委員会である。飲食店、民芸品等物販店のほか、ステージでマリアッチ、フラメンコ等のラテン音楽や踊り、ル―チャリーブレや子供たちのためのピニャータ割リなども行われる。メキシコに関心のある人にはお勧め。

  7. CINCO DE MAYO祭り
    CINCO DE MAYO祭りとは、5月5日の意味であるが、1862年にメキシコがフランス軍をプエブラで勝利した日である。この日を記念して、アメリカやカナダでお祭りが開かれる。2013年に代々木公園で始まったが、2017年の第5回は、お台場の「夢の広場」で、5月4日(木)~6日(土)に開催された。このイベントの特徴は、他のイベントが特定の国を対象としているのに対して、メキシコ、米国、カナダ、ペルー、ブラジル、チリ、コロンビア、ジャマイカ等米州をカバーしていることである。したがって、飲み物だけを見ても、テキーラ、マルガリータ、モヒート、ピーニャコラータ、ピスコサワー、カイピリーニャ、クーバリーブレと様々なものを味わえることになる。音楽もマリアッチ、ロック、ソウル、サンバ、サルサ等々を鑑賞できる。
  8. ペルー祭り
    ペルーの独立記念日を祝って開催される.ペルーフェステイバル2017は、7月23日(日)にスタジオコースト新木場で開催された。新木場での開催は、2002年以降とみられるが、不明。主催は、COMUNIDAD PERUANA EN JAPON(在日本ペルーコミュニテイ)で1500円の有料イベントである。ペルー独立記念祭は、ペルー人が日本に移住してから、1990年代から各地でペルー人のアーチスト等を招き、行われてきた。
  9. コロンビア共和国独立記念祭(FIESTA DE COLOMBIA)
    コロンビアの独立を記念してのイベントで、2017年は、7月16日(日)に、日比谷公園小音楽堂で、駐日コロンビア大使館主催で行われた。初めて開催されたのは、2005年で、2007年までは、お台場の潮風公園、2008年から14年までは、日比谷公園、2015年から16年までは、芝公園で開催された。入場無料で、コロンビアのクンビア等の音楽や踊り等が披露される。2018年も日比谷公園で行われる予定。
  10. スペイン・フェスティバル(FIESTA D EESPANA)
    日本スペイン交流400周年を記念して、2013年に開催され、前回は第5回目(2017年)で、11月18日(土)、19日(日)の両日、代々木公園イベント広場で開催された。パエリャ、スペイン・オムレツ、ワイン等の飲食・フーズブース、キッチンカ―・コーナ―、オリーブオイル等の物販コーナーがあり、セルバンテス文化センターやスペイン観光局の展示等も楽しめる。ステージでは、フラメンコやセビリャーナが見られる。主催は、フィエスタ・デ・エスパーニャ実行委員会で、2018年は日西国交樹立150周年記念ということで、ハポン(日本)さんの苗字のスペイン人が多数いることで有名なコーリア・デル・リオから市長も来日することになっている。

 

上記イベントの大体の開催予定日と最初に開催された年

イベント名

開催予定日

第1回開催年

ブラジルフェステイバル(FESTIVAL BRASIL} 7月中旬 2006年
新宿サンバ・シュラスコ・フェス2017 4月上旬 2015年
名古屋 ブラジル フェスタ 6月中旬 2014年
FESTA DO BRASIL福岡 8月上旬 2016年
FIESTA MEXICANA inお台場 9月中旬 2000年
FIESTA MEXICANA 大阪 9月上旬 1997年
CINCO DE MAYO祭り 5月上旬 2013年
ペルーフェステイバル 7月下旬 不明
コロンビア共和国独立記念祭(FIESTA DE COLOMBIA) 7月中旬 2005年
スペインフェステイバル(FIESTA DE ESPANA) 11月下旬 2013年