産んだ子を食べ、やがて子を食べるために生殖するようになった兎、子どもをあきらめた貧しい黒人女性が一匹の雌犬を溺愛したことから始まる愛と孤独と暴力の物語……。

第6回イスパJPスペイン語文学イベントは、今、世界も注目の物語、スペインの作家エルビラ・ナバロ『兎の島』の翻訳者・宮﨑真紀さんと、コロンビアの作家ピラール・キンタナ『雌犬』の翻訳者・村岡直子さんをお迎えし、女と動物の織り成す、濃密で不安な小説の読みどころや背景をさぐっていきます。翻訳についても掘り下げ、次に読みたい作家や作品もご紹介します。これを機に、スペイン語圏の新しい文学を手にとってみませんか。

いつのまにかはまり込んだ心の迷路や私たちが知らないうちに負っていた傷を、乾いた筆致で描ききるスペイン語圏の女性作家たちは世界で高く評価されています。海外文学最前線の女性翻訳者トークをどうぞお見逃しなく。

■日時 2022年10月1日(土)14:00-16:00 (13:45からウェビナーに入れます)

■会場:プント本と珈琲(千葉市稲毛区黒砂1-5-14-2F punto.jp) +オンライン
京成みどり台駅から徒歩3分・JR西千葉駅から徒歩12分

■登壇者 宮﨑真紀 x 村岡直子
聞き手 宇野和美    

■チケット
・【会場参加】【オンライン視聴】とも 1500円 会場参加は14名様限定です
イスパJP会員は、どのチケットも500円引きになります。
こちらのサイトより、お申し込みください。
  https://onna-to-dobutsu.peatix.com

※本イベントは会場参加+オンライン配信でご参加いただけるイベントです。
※参加費がお得になる書籍つきチケットをご用意しました。ただし、書籍によって送付時期が異なりますのでご注意ください。送料は無料です。

【書籍つきB】『雌犬』(税込2640円)はお申し込み後すぐにお送りします。『兎の島』(税込3520円)は10月初旬発売のため、『兎の島』を含む【書籍つきA】及び【書籍つきAB】の送付は10月上旬となります。
【オンライン視聴 書籍A】1500円+『兎の島』3520円=5020円のところ4700円
【オンライン視聴 書籍B】1500円+『雌犬』2640円=4140円のところ3900円
【オンライン視聴 書籍AB】1500円+『兎の島』3520円『雌犬』2640円=7660円のところ7100円

・いずれも10月31日(月)まで、録画のアーカイブ配信つきです。リンクは、イベント後、準備が出来次第、Peatixのメール機能でご連絡します。

■とりあげる書籍
▶エルビラ・ナバロ『兎の島』(宮﨑真紀訳 国書刊行会)
共喰いする兎で溢れる川の中州、レストランで供される奇怪な肉と絶滅生物、耳から生えてきた腕に身体を奪われる作家、死んだ母からのフェイスブックの友達申請……。
現実と地続きに現出する奇怪な歪み、底知れぬ不安と恐怖を、生理的嫌悪感を催すような濃密で冷たい筆致で描き切った、現代スペインホラー文芸の旗手による11篇の鮮烈な傑作怪奇幻想短篇集!
エルビラ・ナバロは世界最大の文学誌Granta誌(英)のスペイン語圏ベスト若手作家にも選出された気鋭の作家。
本書の英訳版(2021)は、ニューヨークタイムズ紙、ロサンゼルス・タイムズ紙などの各紙誌でも絶賛され、同年の全米図書賞翻訳文学部門ロングリストにノミネートされた。
「この作家は生まれながらの文学的才能に恵まれている」エンリケ・ビラ=マタス
「不安を掻き立てる、カフカ風ですばらしい語り口」マヌエル・ジョレンテ

▶ピラール・キンタナ『雌犬』(村岡直子訳 国書刊行会)
これはわたしの犬《むすめ》。
もし何かしたら、殺してやる。

この世から忘れ去られた海辺の寒村。子どもをあきらめたひとりの女が、もらい受けた一匹の雌犬を娘の代わりに溺愛することから、奇妙で濃密な愛憎劇《トロピカル・ゴシック》が幕を開ける……
人間と自然の愛と暴力を無駄のない文体で容赦なく描き切り、世界15か国以上で翻訳され物議をかもしたスペイン語圏屈指の実力派作家による問題作が、ついに邦訳!!
【古川日出男さん推薦!】
全篇に乾いた〈距離〉が満ちる。
人が愛に渇いて、世界中が愛の雨を枯渇させて、乾いて。
物語はまさに〈断崖〉の上に立つ。

■登壇者プロフィール
宮﨑真紀(みやざきまき)
 スペイン語文学・英米文学翻訳者。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。最近の訳書に、スー・ブラック『骨は知っている 声なき死者の物語』(亜紀書房)、エドガー・アラン・ポー、H・P・ラヴクラフト、シャーロット・P・ギルマンほか『怖い家』(エクスナレッジ)、カルメン・モラ『花嫁殺し』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、ガブリ・ローデナス『おばあちゃん、青い自転車で世界に出逢う』(小学館)など。9月16日に最新訳書、フェリクス・J・パルマ『怪物のゲーム(上・下)』(ハーパーコリンズ・ジャパン)が発売される。また、国書刊行会より〈スパニッシュ・ホラー文芸〉シリーズとして、その第1弾エルビラ・ナバロ『兎の島』を10月初旬刊行予定。

村岡直子(むらおかなおこ)
 西日翻訳者。訳書にフェデリコ・アシャット『ラスト・ウェイ・アウト』(早川書房)、マイク・ライトウッド『ぼくを燃やす炎』(サウザンブックス社)、トニ・ヒル『ガラスの虎たち』(小学館)、ピラール・キンタナ『雌犬』(国書刊行会)、共訳書にペドロ・バーニョス『地政学の思考法』(講談社)などがある。『ぼくを燃やす炎』の姉妹作に当たる『ぼくの血に流れる氷』(仮題)出版のためのクラウドファンディングが成立し、現在鋭意翻訳中。

宇野和美(うのかずみ)
 翻訳家。グアダルーペ・ネッテル『赤い魚の夫婦』(現代書館)を2021年8月に翻訳出版。スペインの20世紀を代表する女性作家アナ・マリア・マトゥーテの短編集に現在取り組んでいる。ハビエル・セルカス『サラミスの兵士たち』(河出書房新社)、アンドレス・バルバ『きらめく共和国』(東京創元社)、アナ・マリア・マトゥーテ『小鳥たち マトゥーテ短篇選』(東宣出版)のほか、児童書や絵本など、50点あまりの訳書がある。スペインの児童書専門ネット書店ミランフ洋書店店主。イスパJP理事。

■ご参加について
・オンライン視聴は、Zoom ウェビナーによる配信になります。
・ご自身のパソコン、スマートフォン、タブレットよりご参加ください。
・参加にあたっては、PCやスマートフォン等、インターネット回線、Zoomのクライアントソフトウエア等の準備が必要です。ご自身でご参加の環境を整えてください。なお、Zoomの契約をしていない人(アカウントを持っていない人)も視聴可能です。(PCやスマートフォンの操作・環境設定等に関するサポートはいたしかねます。ZoomのFAQページなどをご参照のうえ設定をお願いいたします。)
・すでにZoomのアプリをお使いの方は、最新版にアップデートしておくことをお勧めします(月に数回アップデートされます)。
・お申し込み後、イベント前日に、Peatixから視聴に必要な情報(視聴ページへのリンクなど)が送られます。PCからのメールを受け取れるよう設定してください。
・取得したリンクなどはSNS等で公開したり、転用しないようご留意願います。
・お申し込み後のキャンセルの受け付けは前日までです。Peatixのメール機能でご連絡ください。それ以降は、ご欠席の場合も払い戻しはできかねますのであらかじめご了承ください。
・不測の事態及び不可効力など(講師の急遽の病気、天災など)により、やむを得ず予定された日時に開催できない場合、イスパJPは別の日に設定する等の変更を行うことがあります。

■協力 (株)国書刊行会

■主催:NPO法人イスパニカ文化経済交流協会 
お問い合わせ:trad*hispajp.org (メール送信時には*記号を@記号に置き換えて下さい)