タイトル:寝煙草の危険
著:マリアーナ・エンリケス
訳:宮﨑真紀
出版社:国書刊行会
刊行年月日:2023年5月15日
ISBN: 9784336074652
(原書 Los peligros de fumar en la cama, 2009)
スペイン語圏で最も注目される現代作家の1人、エンリケスの待望の短篇集です。気に入った方は、『わたしたちが火の中で失くしたもの』(安藤哲行訳 河出書房新社)もどうぞ。
イスパJPで昨年アルゼンチンの翻訳助成プログラマ・スールへの申請をサポートした作品です。
【書評】
朝日新聞「悪夢は決して絵空事ではない 最新ホラー3点から恐怖の本質を考える」(朝宮運河氏)
Web本の雑誌「人間精神の深奥と現代アルゼンチンの暗澹を剔出する十二篇」(牧眞司氏)
Book Bang「南米の「ホラー・プリンセス」爆誕! 怖いという感情を進化&深化させた12篇」(豊崎由美氏)
(以下版元ドットコムより)
寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、
庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、
愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、
死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街……
〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉エンリケスによる、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!!
カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞作家)絶賛!
「美しく、怖ろしい……近ごろ私が発見した最高に面白い小説」
――ガーディアン紙「今年のベスト・ブック(2021)」
〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは
エルビラ・ナバロ、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。本書の著者マリアーナ・エンリケスは、〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉と称され数々の賛辞を受ける、現代アルゼンチン文学の頂点に君臨する作家である。
【2021年度国際ブッカー賞最終候補作】
【目次】
ちっちゃな天使を掘り返す
湧水池の聖母
ショッピングカート
井戸
哀しみの大通り
展望塔
どこにあるの、心臓
肉
誕生会でも洗礼式でもなく
戻ってくる子供たち
寝煙草の危険
わたしたちが死者と話していたとき